本屋大賞2025

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2025年本屋大賞受賞の小説『カフネ』のPOP&広告イラストを描きました

2025の本屋大賞に輝いた阿部暁子さんの小説『カフネ』。書店POPとWEB広告用にイラストを描かせていただきました。

また、本屋大賞が決まった際の書店の販促用POPなどのイラストも追加でかかせていただきました。

このブログでは、イラストの制作過程や、どのようにして小説の魅力を「おいしそう」に表現したのかをお伝えします。

『カフネ』が本屋大賞2025を受賞!注目ポイントとあらすじ

2025年本屋大賞とは?選考の注目ポイント

本屋大賞は、書店員が推薦する年に一度の栄誉ある賞です。

本屋大賞は「本屋さんが今年一番売りたい本」ということ。

イラストレーターの仕事の本分は、クライアントの方の商品をより売れるようにすること、よさを認知させること。

わたしはそう思っています。

なので、販促にイラストにかかわらせていただき、それが書店様に「私も売りたい」と

とても思えていただけたこと、

もちろん著者の力や出版社の講談社様の力の方がずっと大きいとは思いますが

イラストでも行くぶんか売上げに役に立てたことが、イラストレーターとしてすごく認められたような嬉しいことでした。

阿部暁子さんの小説『カフネ』とは

『カフネ』は、日常の中に潜む深い感情と人間ドラマを描いた作品。作中で描かれる「カフネ」という料理は、登場人物たちの心を繋ぐ重要なモチーフとなり、物語全体に温かさと深みを与えています。そして、小説の中においしそうな食べ物が次々と出てきます。その小説の中の料理のイラストをいくつか描かせていただきました。

わたしは、いわゆる氷河期世代ですが、同年代の女友達もいろいろお母さんになり、多くがワーキングウーマンでもあり、仕事に育児に家事にすごく頑張っている友人ばかりです。でも、Facebookなどで友人の様子を見て「頑張り過ぎじゃない?そんなにかかえこまないで、手放していいんだよ!」と思うこともよくあるのです。

「でも、そういうコメントが、逆に友達を追い詰めてしまうのかもしれない、余計なお世話なのかもしれない。一緒に飲んで気持ちを吐くことはできても、そのぐらいしか役に立たないし。」そういうことをよく逡巡しています。

わたし個人はこの小説は「境界線」(バウンダリー)を扱っていると思います。少し、ミステリー要素があり、そしてラストも、少しホラーな要素もあると思っています。表紙の写真は、その少しミステリーやホラーの感じもグッと出ていて素敵だと思います。

今回「カフネ」は何人もの友人にプレゼントしました。

わたしは、夫がすごく育児も家事も協力的で、義父母も遠くにいて何も干渉せず、実両親が比較的近くにいて頼ることもできる環境です。

それでも、育児がしんどい時もあり・・・本をよんで号泣してしまいました。

本を読んでくれた、友人、みんな「いい本だった」と、いってくれました。

「読んでくれた読者の方々が、もうすこし、人を自分から頼ったりしてくれたらな」、そんな願いを持っています。

小説「カフネ」公式サイト 講談社>https://cafune.kodansha.co.jp/

(こちらに上のイラスト3点が使われています)

読後に残る余韻と、心をつなぐテーマ

こちらは、月音京子個人の感想です。

『カフネ』の読後の余韻。少しホラーだったと描きましたが、

助けたい人がいる。自分から助けを呼んでくれたら、助けていい、それは当然です。

でも、自分から助けを求めていない人は?

それを助けたら「おせっかい」・・・

下手すると境界線(バウンダリー)の侵害になってしまう・・・

このあたりの答えを、本は出していません。そこはジワジワと余韻になりました。

「息苦しい」と呼ばれる主人公は、ラスト、どうするのでしょうか・・・?

個人的には、ぜひ「映画」で見てみたいです。

『カフネ』POP・WEB広告イラスト制作のご依頼をいただきました

依頼を受けたきっかけとやりとりの流れ

発売当初から作中の料理のイラストを依頼されていたご縁で、本屋大賞にノミネートした際に出版社より追加でイラストの依頼をいただきました。

豆乳そうめん、骨付き肉については、レシピとともにプロの写真家の写真がすでにあったのでその写真を資料にいただきました。

「チャーハンおにぎり」は「戦闘力があがるよ」という部分のチャーハンおにぎりです。

この作品は、いろいろなポイントでおにぎりが登場するので、最初はどのおにぎりなのだろう?と考えました。

そして、わたしが小説を参考にチャーハンを作り、おにぎりをにぎり、写真を編集部に。

主人公薫子と、お客さんの1人とその娘が3人でそれぞれ作ったバージョンも考えたり。

戦闘力おにぎり

結局、2個のおにぎりになりました。

登場人物は、かなりきっちりと三角に握るのですが、なかなか難しくて。資料写真の公開って珍しいかもですね。

チャーハンのおにぎり、きくらげがコリコリして美味しかったです!

マグカッププリンと、薄焼き卵のオムライスも、私が作って写真をとって資料写真にしています。

カフネプリン
カフネオムライス

描いたイラストのテーマは「切ない、おなかがすく、満たされたい」

小説なので、その食べ物が出てきたシーンの雰囲気、登場人物の気持ちというのを考えました。

それでいて、書店POPや広告のときに、強く目を引くようにハイライト(光)を強く入れたり

陰影を結構濃くしていたりしています。

「骨付き肉」を書く前に、プライベートに自分の親にあい、親との関わりで悲しい気分になっていました。

「愛情をかけてくれているのは確かなのに、でも本当に自分がほしいような愛をくれない」

そんな飢えた感じを私も抱き、登場人物のそんな心の飢え=なにかにかぶりつきたい思い

そういうものを感じながら、骨付き肉の絵を描きました。

「カフネ」のイラストは、おいしそうで繊細でありながら、

どこか泣き出したくなるような「切なさ」というのを感じられるように・・・と描いています。

書店POPやWEBバナーに込めた工夫と世界観

書店POPやWEBバナーは、目を引く視覚的な要素が重要です。

パッとみて「おなかがすく」ということ。

色が鮮やかということ。

コンストラストや陰影がはっきりとしていること。

色彩や構図にそういう工夫をしています。

デザインは出版社のかたにおまかせですが、とても素敵に引き立つデザインにしていただきました。

店頭POPの展開例・SNSでの拡散

書店では、新宿の紀伊国屋で見ることができました。

入口から、3階の文芸コーナーを登りきったところすぐに

「本屋大賞受賞」というコピーとともに、本が並び、POPが使われていました。

X(旧ツイッター)でも、複数の書店のかたがPOPとともに「カフネ」をアップしてくださっていました。

POPを見てくれた友人の感想と喜び

小中学校や、高校の友人に報告したら、紀伊国屋書店に見に行ってくれた友人がいました。

「つくねさんのイラストは、暖かくて、優しい感じが伝わってくる」

友人にはそう言ってもらえました。

WEB広告の使用例と効果の手応え

WEB広告にもイラストが使われました。

これは別のクライアントの方のお話ですが、私の報告でWEB広告の方をみていただいたのですが

「とにかく、つくねさんのイラスト見て、すぐにおなかがすいちゃって!」

と言われました。胃袋でも、何らかのインパクトが与えられて良かったです。

また、WEB広告ページや、イラストも含め、本屋大賞のニュースはTVでも拡散されました。

「日テレNEWS」

お仕事のご依頼について

過去の制作実績と得意ジャンル

これまでにさまざまな本や雑誌のイラストを手がけてきました。

とくに「料理イラスト」が得意で、やはり「おなががすく」ということを大事にしています。

それがクライアント様の商品の、販促につながっていけば幸いです。

また、文学部出身ということで古典や歴史の知識も深く、歴史関係のお仕事も多いです。

ご依頼〜納品までの流れと対応範囲

お仕事の依頼から納品まで、細かい打ち合わせを重ねながら、クライアントの希望に寄り添ったデザインを提供します。

基本的には手描きですが、データ入稿に対応しています。

修正にはPhotoshopを使います。過去に修正ができなかったことはありません。

お問い合わせフォーム・SNSリンクはこちら

イラストのご依頼やお問い合わせは、下記のお問い合わせフォームからご連絡いただけます。

また、インスタでも作品を随時公開していますので、ぜひチェックしてみてください。

インスタ> https://www.instagram.com/tsukunekyoko/

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